名探偵コナン2017年の映画のネタバレ!から紅の恋歌(ラブレター)
こちらでは、名探偵コナンの以下の事柄について迫りたいと思います。
・事件ファイル概要
・登場人物
・ストーリー
・ネタバレ
名探偵コナン から紅の恋歌|事件ファイル概要&登場人物&ストーリー
名探偵コナン から紅の恋歌|事件ファイル概要
◯ 事件ファイル
■ 話数:
第21作
■ 事件ファイル名:
から紅の恋歌(ラブレター)
■ 公開日:
2017年4月15日
■ 公開曜日:
土曜日
■ 主題歌:
渡月橋 ~君 想ふ~(倉木麻衣)
名探偵コナン から紅の恋歌|登場人物
【メインキャラクター】
・江戸川 コナン
CV:高山みなみ
実際は高校生探偵工藤新一。ひょんなことから薬を飲まされ、小学生の姿になった主人公。事件解決のため頭脳を生かし推理を巡らせ、次々と難事件を解決へ導く。
・毛利 小五郎
CV:小山力也
毛利探偵事務所の主人。元刑事で蘭の父親。推理は的外れだがコナンの名推理のおかげで、“眠りの小五郎”として有名。
・毛利 蘭
CV:山崎和佳奈
毛利小五郎の娘。高2年生、新一の幼馴染で空手部の女主将。
・小嶋 元太
CV:高木渉
少年探偵団の一人。うな重好きの食いしん坊で力持ち。
・円谷 光彦
CV:大谷育江
少年探偵団の一人。コナンには劣るが少年探偵団の№2の頭脳を持つ。
・吉田 歩美
CV:岩居由希子
少年探偵団の一人。コナンに想いを寄せる。
・灰原 哀
CV:林原めぐみ
本名は宮野志保。元黒ずくめの組織の一員でコードネームはシェリー。新一が飲まされた薬と同じ薬を飲み、子供の姿になってしまった。現在は阿笠博士のところでAPTX(アポトキシン)4869の解毒薬の研究をしている。
・阿笠 博士
CV:緒方賢一
新一の隣の家に住む発明家。コナンの正体を知っている。
・鈴木 園子
CV:松井菜桜子
蘭と同級生で親友。鈴木財閥のお嬢様。
・服部 平次
CV:堀川りょう
西の高校生探偵。大阪府警本部長である父親譲りの推理力で数々の難事件を解決している。コナンの正体を知っている。
・遠山 和葉
CV:宮村優子
平次とは同級生で幼馴染。平次の言葉にいつもヤキモキさせられている。
・服部 静華
CV:勝生真沙子
平次の母。
・大岡 紅葉(おおおか もみじ)
CV:ゆきのさつき
京都泉心高校に在学。百人一首の高校生チャンピオンで「皐月会」に所属している。平次のことを「未来の旦那さん」と呼ぶ謎の美少女。
・伊織 無我(いおり むが)
CV:小野大輔
紅葉の付き人。
・綾小路 文麿
CV:置鮎龍太郎
京都府警捜査一課警部。ペットのシマリスをいつも連れている。
・服部 平蔵
CV:山路和弘
平次の父。大阪府警本部長。
・大滝 悟郎
CV:若本規夫
大阪府警捜査一課強行犯捜査係警部。
・遠山 銀司郎
CV:てらそままさき
和葉の父。大阪府警刑事部長。
・工藤 新一(回想)
CV:山口勝平
高校生探偵で、コナンの本当の姿。
・京極 真(回想)
CV:檜山修之
園子の恋人。「蹴撃の貴公子」と呼ばれる空手の達人。武者修行のため海外留学している。
・服部 平次(幼少期)
CV:比嘉久美子
【オリジナルキャラクター】
・枚本 未来子(ひらもと みきこ)
CV:吉岡里帆
改方学園の2年生でかるた部の主将を務める。
・阿知波 研介(あちわ けんすけ)
CV:阪脩
「皐月会」の会長。
・海江田 藤伍(かいえだ とうご)
CV:石井康嗣
阿知波の元秘書。
・矢島 俊弥(やじま としや)
CV:石川英郎
「皐月会」の会員。
・関根 康史(せきね こうじ)
CV:宮川大輔
「皐月会」の会員でカメラマン。以前は「名頃会」に所属していた。
・名頃 鹿雄(なごろ しかお)
CV:一条和矢
紅葉の師匠。「名頃会」の代表で「皐月会」をライバル視していた。
・阿知波 皐月(あちわ さつき)
CV:吉田美保
研介の妻。「皐月会」の初代会長。3年前に病死した。
名探偵コナン から紅の恋歌|ストーリー
ある日の早朝。
京都、東山にある矢島邸で、百人一首の団体「皐月会」の会員、矢島俊弥は去年の皐月杯のビデオを見ていた。
矢島は、ビデオに映る大岡紅葉を見て「師と同じ得意札か」と呟き、意味深な笑みを浮かべる。
その直後、屋敷に侵入してきた人物によって日本刀で撲殺されてしまった。
部屋に散らばった百人一首の札に、矢島の血が飛び散った・・。
その日の午後。
小五郎は、「皐月会」の会長、阿知波研介と対談をするため、コナンと蘭を連れて大阪へやってきた。
さらに、大阪見物したいという光彦、元太、歩美も、用事があって来られない阿笠博士に代わって小五郎が連れてきた。
園子も来るはずだったが、風邪をひいて寝込んでしまっていた。
日売テレビでは、「皐月会」が主催する大会「高校生皐月杯」が開かれており、コナンたちはそこで平次と和葉と合流した。
平次、和葉と同じ改方学園に在学し、カルタ部の部長を務める枚本未来子と大岡紅葉の百人一首対決のリハーサル収録中、紅葉のとった札が小五郎の足元まで飛んできた。
小五郎は札を拾おうとするが、紅葉は「お構いなく」と自分で拾っていった。
紅葉を近くで見た小五郎は、「かわいい~!」と言いハートを振りまく。
その後、和葉は自分がカルタ部に所属していることを蘭に話す。
改方学園のカルタ部は新入部員が少なく、廃部になりそうだった。
そこで、和葉はカルタ部に名前を貸して合気道部と兼任し、ときどき未来子の練習に付き合っているようだ。
蘭と和葉が話に盛り上がっていると、試合をしていた紅葉が「賑やかで楽しそうですな~。まるでカフェにいるみたいやわ」と口を開いた。
リハーサルの収録が終わり、蘭、光彦、元太、歩美は控室へ戻った。
コナンは、小五郎の監視をするためスタジオに残っていた。
すると、警備員によって「皐月会」の百人一首の札が運ばれてきた。
その警備の厳重さに、和葉は「えらい仰々しいなぁ、あのカルタ」と言う。
未来子は、皐月会が開催する全国大会で使われるカルタなので丁寧に扱うのは当然だと言う。
それに、去年の皐月杯の後、カルタの紛失騒ぎがあったことも加えて念入りに警備をするようになった。
紛失騒ぎの後、カルタはすぐに見つかったが、セキュリティー強化するべきだと矢島が阿知波を説得したそうだ。
コナンは、なぜその札が決勝戦でしか使われないのか尋ねた。
「皐月会」のカルタは、激しい試合を何度もしてきたため痛みがひどい。
そのため、決勝戦で使う時以外はケースに入れて、普段は美術館に展示されていると未来子は話す。
阿知波との対談前であるにも関わらず、小五郎は阿知波のことを知らないと言う。
そこで、平次は雑誌を開き、阿知波のことが記載されているページを見せた。
阿知波は、一代で阿知波不動産を築き上げた大物で、浪花の不動産王と呼ばれている。
百人一首は阿知波にとって唯一の趣味であり、「皐月会」の会長としての腕前は相当のものだ。
しかし、阿知波自身は選手よりも読手になりたかったようだ。
「皐月会」は元々クイーンだった阿知波の妻、皐月が作った会で、阿知波はその後を継いで会長になった。
皐月は3年前に病気で亡くなってしまったが、皐月の大切な試合が行われる前日には、必ず洗車して験を担いでいたようだ。
コナンは、雑誌の写真を見て、阿知波の隣に写っている厳つい男のことを尋ねる。
平次は、阿知波の秘書だった海江田藤伍だと答える。
海江田は、阿知波不動産の裏の部分を一手に引き受けてきた切れ者だと噂されていた。
しかし、現在は秘書を辞めてどこにいるのかもわからないという。
そこへ、阿知波がスタジオ入りした。
未来子は、すぐさま阿知波に挨拶をしに向かう。
その時、スタッフが矢島と連絡がとれないと慌ててやってくる。
そろそろスタジオに入らなければならない時間にもかかわらず、矢島は姿を見せないというのだ。
阿知波は、「皐月会」の会員、関根康史を呼ぶようにスタッフに声をかけた。
矢島が来ない場合、関根に代役を頼む考えのようだ。
撮影まで時間があるため、コナンたちは外へ食事をしにいくことにした。
和葉と何を食べるか話しながら歩いていた平次は、通路を歩いていた紅葉とぶつかってしまった。
平次「すんません、大丈夫ですか?」
紅葉は、じっと平次を見つめる。
そして・・。
紅葉「運命やわ。会えるんやないかと思てました。ウチの未来の旦那さんに」
紅葉は涙を浮かべ、にっこり微笑んだ。
二人の様子を見ていた一同は驚きの声を上げる。
その後、紅葉はスタッフに呼ばれてその場を後にした。
平次は幸せそうな表情で紅葉に手を振る。
和葉「誰やねん、あの女!」
平次「だから、知らんゆうとるやないか!」
平次と和葉が揉めているので、蘭、光彦、元太、歩美は、先に外で待つことにした。
コナンは、大岡紅葉についてスマホで調べた。
紅葉は、京都泉心高校に在学する2年生。
そして、2年連続皐月杯高校生チャンピオンで、将来クイーンになることが確実視されている。
その頃。
大阪府警に「日売テレビを爆破する」といった内容の予告メールが届いていた。
服部平蔵、遠山銀司郎、大滝悟郎は、印刷されたメールの内容を見て会談する。
予告メールには、百人一首の札の写真が添付されていたが、それが何を意味するかは皆目見当がつかない。
単なるイタズラか、本物の爆破予告なのかわからないが、念のため日売テレビに避難指示を出すことにした。
避難指示を受けた日売テレビは、館内に緊急避難警告のアナウンスを放送する。
突然の退避指示に館内にいた者たちは動揺する。
平次は和葉に非常階段へ向かうように指示し、コナンとともに何が起こったのか確認しに行くことに。
途中で小五郎に遭遇し、コナンは服を掴まれ連れていかれる。
平次は小五郎をうまくかわし、一人で調べることにした。
スタジオへ到着した平次は、爆破予告のことを知る。
スタジオにいた阿知波も非難し、平次は未来子を連れて外へと避難する。
先に外に出ていた蘭、光彦、元太、歩美の元へ、小五郎がコナンを抱えてやってきた。
爆破予告のことをスタッフに聞いた蘭は、小五郎とコナンにそのことを伝える。
和葉と平次のことが気になる蘭は捜しに行くと言うが、小五郎は蘭を引きとめ自ら捜しに向かった。
日売テレビの外には、大阪府警の大滝悟郎率いる警察が到着した。
その頃、中で平次を待っていた和葉は、平次と未来子と合流した。
3人で走って避難していると、突然未来子は足を止めた。
未来子は、「皐月会」のカルタを置いていくことができないと言い、スタジオに戻っていく。
コナンは、蘭の目を盗んで駐車場へ向かった。
車の中からターボエンジン付スケボーを取り出し、追跡メガネで平次のスマホの位置を確認する。
すると、平次がまだ日売テレビの館内にいることがわかった。
スタジオに戻った未来子は、百人一首の札を箱に詰める。
そこへ、警備員と平次、和葉もやってきた。
警備員とともに平次、和葉、未来子は避難を始める。
その時、テレビ局が爆発した。
大滝は、外に避難している者をもっと下がらせるよう部下に指示する。
館内に残された平次たちは、崩れ落ちた瓦礫に退路を妨げられてしまった。
平次、和葉とはぐれてしまった警備員と未来子は、なんとか二人で外に出ることに成功した。
しかし、平次と和葉は未だ館内に閉じ込められている。
下の階には黒煙が広がっている。
平次はとにかく上へ逃げることにし、和葉の手を引いて階段を駆け上がる。
コナンは、追跡メガネで平次たちが上へ向かっていることを確認した。
そして、隣のビルへ向かい上の階へと急ぐ。
屋上へ到着した平次は、その場で助けを求める。
平次「俺一人やと無理や、俺一人やとな!工藤ー!」
コナンは、黒煙で視界が悪くなっているテレビ局の方向へ、サッカーボールを蹴った。
サッカーボールはコナンのいたビルの窓ガラスを割り、その割れた窓からスケボーに乗ったコナンが飛び出す。
コナンは、テレビ局の屋上になんとか辿り着いた。
平次、和葉と合流したコナンは、屋上から降りるために伸縮サスペンダーを繋ぐ。
平次は、和葉に帽子を被せて肩に抱きかかえ、コナンからサスペンダーを受け取る。
そして、コナンはサスペンダーのボタンを押し、平次と和葉は下に降りていく。
その直後、屋上の鉄骨が崩れ、コナン目がけて落下してくる。
コナンは、なんとかスケボーで鉄骨をかわす。
平次、和葉は、間一髪のところで地上に降りることに成功した。
しかし、未だ屋上に残されているコナン。
脱出できる唯一の場所は鉄骨によって閉ざされてしまった。
空には救助ヘリが飛んでいるが、この黒煙と炎では着地どころか近づくことさえできない。
コナンは、テレビ局の隣に川が流れていたことを思い出した。
その川まで飛べれば助かるかもしれないと考えるが、屋上は瓦礫で埋め尽くされており、スケボーで加速をつけるための足場がない。
そうこうしているうちに、黒煙がコナンを襲う。
意識を失いかけるコナンは、蘭を思い出す。
コナン「蘭!」
諦めてたまるか!とコナンは脱出の糸口を探し出す。
テレビ局のアンテナを見出したコナンは、伸縮サスペンダーを軸にかけ、それを両手で持ってスケボーの加速をつけることにした。
地上でコナンを待っていた平次は、アンテナの丸いお皿の部分をスケボーで走るコナンの姿を見た。
コナンが川に飛び込もうとしていると推理した平次は、川の付近まで行く。
アンテナが崩れると同時にコナンは川へ向けて飛び立つ。
しかし、加速が足りなかったようで、川に着水できそうもない。
コナン「ダメだ!とどかねェ!」
地面に叩きつけられそうになるコナン。
平次「待ってたで!ほーらよっ!」
しかし、平次が柔良くコナンをキャッチした。
二人はその勢いのまま川に落下した。
平次「おい、大丈夫か工藤」
コナン「あぁ、なんとかな」
平次は、コナンの落としたメガネを手渡す。
そして、地面に叩きつけられたスケボーを見て「あんなもん持ってきて、日売テレビが爆破されるん知ってたんか?」と尋ねる。
コナン「バーロー。んなわけねェだろ」
その後、救急隊員によって手当てを受けた和葉。
少し煙を吸ったようだが命に別状はなく無事だ。
コナンと平次は、蘭や和葉、光彦、元太、歩美と合流した。
幸い、テレビ局爆破による死者は一人も出なかった。
そして、未来子が守った「皐月会」の百人一首の札も無事だった。
しかし、未来子は腕を骨折してしまった。
和葉、蘭、子供たちは、未来子の様子を見に行くため病院へ向かった。
コナンは蘭に連れられて行き、平次は残って大滝から詳しい話を聞くことにした。
病院で治療を終えた未来子に、阿知波はカルタを守ったことの感謝を伝える。
しかし、右手が使えない未来子は、皐月杯に出られないことに悲痛の表情を浮かべる。
阿知波と和葉は、次の大会で頑張ればいいと声をかける。
しかし、皐月杯でいい成績をあげなければ、改方学園のカルタ部は廃部になってしまうというのだ。
そこで、未来子は和葉に自分の代わりに皐月杯に出場するよう説得する。
未来子「和葉なら体力はバッチリやし、反射神経もある、負けん気も強いし、どんな相手にも物怖じせん」
コナン(えー・・)
未来子「あと妙な図々しさもあるやんか」
和葉「なんか、褒められてる気せえへんのやけど」
皐月杯は明後日から始まる。
未来子は、今から特訓すれば和葉ならなんとかなると言う。
その様子を見ていた紅葉は、くすくす笑って歩み寄る。
紅葉「素人が大会に出て優勝狙わはるん?いっそのこと百人一首やのうて、いろはがるたに変えてもらいましょか?」
未来子「バカにせんといて!和葉の技量はいつも練習してるウチが一番ようわかってる」
紅葉は和葉をまじまじと見る。
紅葉「平次君と一緒にいてはりましたけど、一体どないな関係なんやろ?」
和葉「ちっちゃい頃からいっつも一緒で、平次はあたしの、あたしの・・」
和葉は、頬を赤くし黙り込んでしまう。
歩美「大好きなんだよねー?」
光彦「見てたらわかります!」
和葉「口挟まんといてー!」
紅葉「しのぶれど、やな?幼馴染で恋愛ごっこ。ほんま和みますわ」
そこで紅葉は、皐月杯で勝った方が先に平次に告白する権利を得るという挑戦状を叩きつけた。
未来子「和葉、こないな勝負受けることないで」
紅葉「ゆうときますけど、ウチは本気です」
紅葉は、そう言うと去っていこうとする。
和葉「待ち!その勝負、受けたるわ!」
なんと、和葉は紅葉の挑戦を受けて立つと宣言したのだ。
紅葉がその場を後にしようとすると、出会い頭に小五郎とぶつかってしまった。
その拍子に、紅葉は落とし物をしてしまった。
コナンは、少し後で紅葉の落とし物に気づき、蘭とともに紅葉の後を追いかける。
しかし、紅葉を乗せた車は出てしまい、渡しそびれてしまった。
やむを得ず、紅葉が落としたパスケースの中を見ると、2枚の写真が入っていた。
1枚は男性の写真で、もう1枚は子供の頃の平次と紅葉が指切りしている写真だった。
蘭「なんの約束したんだろ・・」
コナン「結婚の約束とか・・?」
蘭「こんな子供なのに~?」
コナン「そんなわけないよね」
コナン(いや、あいつ割といい加減なとこあるし・・)
蘭(あるかも・・)
そこへ、平次がバイクでやってきた。
コナンは、蘭に見つからないように、男性の写真をスマホで撮影した。
蘭は、紅葉の写真のことは平次と和葉には内緒にしようとコナンに話し、病院の中へ戻っていった。
コナンは、大滝から入手した情報を平次に聞くことにした。
しかし、大阪府警も混乱しているようで、情報が集まり次第連絡するとのことだった。
その時、病院から阿知波が電話で話しながら出てきた。
京都府警からの電話のようで、矢島が殺害されたと知らせがあった。
その様子を見ていたコナンと平次は、バイクで現場である矢島邸へ向かった。
小五郎もパトカーに乗り、現場へと向かう。
矢島邸へ到着すると、綾小路率いる京都府警が現場検証をしていた。
殺害された矢島は、造り酒屋の御曹司で、屋敷には一人で住んでいた。
死亡推定時刻は、早朝6時頃。
遺体発見時刻は、その8時間後の午後2時。
屋敷の中へ入ると、中はひどく荒らされた状態だった。
綾小路は、何者かが金品を目的に侵入し、矢島と鉢合わせになったため盗もうとしていた日本刀で撲殺し、金品を盗んで逃走したと判断する。
遺体の側には百人一首の札が複数散らばっていた。
コナンと平次は、矢島の手に血がついており、さらに散らばった札にも血痕がついていることに気づいた。
その様子から、矢島が札を手に持ちダイイングメッセージを残そうとしていたが、それに気づいた犯人によって散らばった札の中に手に持っていた1枚を紛れ込ませたと考えた。
しかし、血痕のついた札は複数あるため、どの札を手に持っていたのかわからない。
そこでコナンは、血のついた札全ての写真をスマホで撮った。
そして、その写真を灰原に送った。
その後、床に落ちていたテレビのリモコンに血痕が付着していることに気づいたコナンと平次は、矢島が殺害される直前にテレビで何かを見ていたと考えた。
そこで、倒れていたテレビを起こし、電源をつけてみた。
すると、紅葉の姿が映し出された。
再生されていたDVDを取り出してみると、「第15回から第20回高校生皐月杯争奪戦」と書かれていた。
コナンは、矢島がなぜこの映像を見ていたのか疑問を持った。
そこで阿知波が以下のように答えた。
阿知波「決勝戦ともなれば相当ハイレベルになるからな。技の駆け引きから札の並び方まで見るだけでも参考になることが多いんや。殺人事件とは関係ないんちゃうかな」
コナンは、阿知波の答えに納得がいかない。
しかし、コナンと平次は小五郎に捕まれ、強制的に外へ連れ出されてしまった。
その頃。
阿笠博士と灰原は、テレビで京都での殺人事件のニュースを見ていた。
新一から折り返しの連絡がこないため心配している博士。
そこへ、灰原のスマホにコナンから連絡が入った。
博士が「あとで変わってくれ」と灰原に頼むと、灰原は電話をとった。
コナンは、先ほど送った血痕のついた札の中で、被害者が握りしめていた1枚を突き止めて欲しいと頼む。
コナン「オメェそういうネチネチ組み立てんの得意だろ?」
灰原「・・ネチネチねー」
コナンは、血の付いたカルタ札と一緒に、紅葉の落とし物に入っていた男性の写真も送っていた。
ついでに、その人物についても調べるように頼んだ。
灰原「とにかく、やってみるから少し時間ちょうだい」
コナン「サンキュー、頼りにしてるぜ」
そう言うと、コナンは電話を切ってしまった。
灰原「ちょっと!博士が・・」
博士「え・・、あ。(えげつなー・・)」
コナンと平次は、狙われているのは「皐月会」の主要人物だと睨んだ。
マークするべきは2人、阿知波と紅葉だ。
コナンは、阿知波と宿泊するホテルが同じということもあり、阿知波を見張ることにした。
そして、平次は紅葉の警護にあたることにした。
その時、矢島邸へ関根がやってきた。
阿知波は関根の元へ近づき、何度も連絡していたのに今まで何をしていたのか尋ねる。
関根は、昨夜深酒して眠っていたと答える。
そして目覚めた後、ニュースでテレビ局の爆破のことを知り、阿知波が矢島邸で自分のことを探しているという連絡を受けたと話す。
関根は、矢島邸に警察がたくさん集まって何かあったのかと問う。
阿知波は、強盗の仕業により、矢島が渡り廊下にあった刀で殺されてしまったことを伝える。
阿知波は、綾小路に関根のことを紹介する。
関根は矢島のライバルで、ここ2年の皐月杯決勝は二人の対決だった。
2年連続で矢島が勝利しており、関根は今年こそはと意気込んでいたという。
そのため、関根は「もうカルタも対戦できんのですね」とガッカリしているようだ。
阿知波が今後の皐月杯の開催について悩でいると、関根は中止することはダメだという。
関根「矢島の死で伝統ある皐月杯が中止になってしもたら、矢島は無駄死にどころやない、殴られ損や!」
コナンと平次は、この関根の言葉に違和感を覚えた。
平次「なぁ工藤。俺犯人わかってしもたで」
コナン「俺もだ。矢島さん殺しはたぶんあの人だ」
その後、ホテルに着いた蘭、和葉、光彦、元太、歩美。
園子が予約したホテルは日売テレビから近く、部屋はかなり広い。
その頃、風邪で寝込んでいる園子は真を思い出していた。
園子「うふふふふ・・」
和葉は、これから百人一首の特訓をすることにした。
光彦、元太、歩美も全面的にバックアップすると言う。
そこへ、光彦のスマホに博士から電話が入った。
光彦たちは、和葉と蘭の邪魔をしないようにと隣の部屋へ行ってしまった。
和葉「全面的にバックアップって・・」
蘭「こういうこと・・?」
博士とテレビ電話を始めた光彦、元太、歩美。
博士「みんな、あれから何もなかったかね?」
光彦「僕たちもうホテルにいます!」
博士「ちょうど良かった♪」
歩美「まさか・・」
博士「ジャジャーン!お待ちかね、博士のクイズコーナー!」
光彦「そのために電話してきたんですか・・」
博士のクイズは以下。
競技カルタは、その独特のスタイルが日本の伝統的作業に似ていると言われているが、それはどれでしょう。
①:茶摘み
②:凧あげ
③:餅つき
④:稲刈り
歩美は、カルタをとって札を積んでいくので①茶摘みと答える。
元太は、たこ焼きが食べたいので、②凧あげと答える。
光彦は、お手付きと言うので、③の餅つきと答える。
そこで、灰原が答えは④の稲刈りだと話す。
稲は田んぼになる、その田んぼを刈るのは「刈る田(カルタ)」
平次のことが気になる和葉は、平次に電話をかける。
紅葉の家、大岡邸の前で見張りをしていた平次は、まだ用事があるため送ることはできないと話す。
和葉は、未来子の代わりに皐月杯に出場することを知らせ、子供の頃にカルタが上手かった平次に特訓してもらおうと考えていたことを伝える。
子供の頃、平次はかるた大会に飛び入り参加し優勝した経験があるのだ。
和葉と電話を切った平次は、ある人物に依頼の電話をかけた。
小五郎は、宿泊するホテルへ到着し、蘭たちの待つ部屋へ入った。
コナンは、小五郎とともに帰ってきたが、皐月杯の抽選会場で阿知波を見張っていた。
そこへ蘭から早く帰ってくるように電話があり、コナンは阿知波の襟元に発信機をとりつけ部屋へ戻ろうとした。
すると、ホテルのロビーで見知った女性を見かけた。
その女性は、阿知波に挨拶をしている。
ホテルの部屋では、和葉の弾いたカルタ札が小五郎の読んでいた新聞に直撃した。
小五郎「うひゃあ!こらぁ!危ねェだろうがよ!」
蘭「やっぱり私じゃ練習相手は無理よ・・」
そこへ、コナンが先ほどロビーで見かけた女性を連れて戻ってきた。
コナン「ただいま!頼もしい助っ人が来てくれたよ」
その女性は、平次の母、服部静華。
静華「平次から聞きましてな、駆けつけましたんや」
和葉「ええー、なんでぇ?」
カルタの元クイーンの静華は、平次の頼みを受けて和葉の特訓に来たという。
静華「私の持ってる全てをあなたに教えてあげますわ。ただ時間が足らんさかい、稽古はきついもんになりますえ」
和葉「はい!よろしくお願いします」
その頃、大岡邸を見張っていた平次の元へ綾小路がやってきた。
そこへ、紅葉の付き人の伊織がお盆にお茶を乗せ、屋敷から出てきた。
紅葉は、屋敷の中で防犯カメラの映像を見ており、平次と綾小路が外にいることに気づいていた。
紅葉(心配して来てくれはったんや。ウチの未来の旦那さん)
早朝。
ホテルの部屋では、小五郎、光彦、元太、歩美は眠っている。
和葉と静華の特訓を見守っていたコナンと蘭も、壁に寄りかかって寝てしまっていた。
コナンは慌てて起き、追跡メガネで阿知波の位置を確認する。
どうやら阿知波はホテルから出ていないようだ。
静華が席を立つと、和葉は崩れ落ちるように倒れ込んだ。
蘭は、和葉を支えながら、和葉の腕前を静華に尋ねる。
静華は、思った以上の実力でベスト4は堅いが、決勝までは難しいと答える。
そして、競技カルタで大切なのは精神力と集中力で、和葉はその二つを持っているので勝機はあると話す。
その後、関根を呼び出したコナンと平次。
会議室で小五郎を眠らせ、コナンが蝶ネクタイ型変声機で小五郎の声を使って推理を話す。
矢島が殺害されたのは強盗犯の仕業などではなく、冷酷な計画殺人だ。
関根は、2年連続決勝で矢島に敗れ、皐月杯優勝を逃している。
もし矢島がいなくなれば、関根が優勝することは間違いない。
そのため、矢島を殺害したのではないかと関根を問い詰める。
しかし、関根は優勝したいのは確かだが、ライバルを殺すなんてことをするわけがないと否定する。
だが、関根が犯人だと推理した理由はいくつかある。
まず、強盗にしては荒らし方にムラがある。
犯人は、カルタ関係のものには一切手を触れていなかったのだ。
それは、犯人がカルタの品々に愛着を覚えていたため、乱雑に扱うことができなかったと考えられる。
次に、矢島邸の離れの床はきしみ、歩くとギシギシ音がする。
そのため、誰かが離れに入ってきたらすぐに気づくはずだ。
矢島がカルタに集中していたため、侵入者に気づかなかったということはあり得ない。
矢島の致命傷は頭のど真ん中にあり、侵入者に気づかずカルタを続けていたとしたら、傷は後頭部、もしくは側頭部にあるはずだ。
つまり、犯人は矢島の顔見知りだと考えられる。
犯人は、カルタに詳しく、矢島と顔見知りで、犯行時刻にアリバイがない人物。
それは、全て関根に当てはまる。
関根は、自分を犯人にしたいのなら証拠を持ってこいと言う。
最後に、コナンと平次が気になった関根の会話のことを尋ねてみる。
関根が矢島邸に駆け付けた時。
関根は「矢島の死で伝統ある皐月杯が中止になってしもたら、矢島は無駄死にどころやない、殴られ損や!」と言っていた。
普通、凶器が刀だと聞けば、惨殺か刺殺と考えるはずだ。
それにも関わらず、関根は「殴られた」と言った。
凶器の刀が錆びついていて抜けなかったことは犯人しか知らないことだ。
関根は「血の飛び散り具合とかで、なんとなく殴られたんやないかて思い込んだんや!」と言い会議室を出て行った。
今の揺さぶりで、今後関根がどう動くか。
そして、注意するべきは皐月杯が行われる試合会場だ。
コナンは、試合会場をスマホで調べる。
会場はかなりの広さがあり、決勝戦が行われる皐月堂は崖の途中にある。
阿知波が妻の皐月を想って建てたことから皐月堂と命名され、そこに登ることができるのは1年に一度。
それも、読手の阿知波と、勝ち残った2名のみ。
皐月堂での試合の動向は、会場に設置されたカメラとマイクによって、川を隔てた観戦専用の会場に届けられるシステムだ。
競技場内は、空調システムによって温度湿度ともに絶えず一定に保たれ、建物を取り囲む防音壁は外部の音を完全にシャットアウトする最新システムが取り入れられている。
まさに、カルタのためだけに作られた最高の競技会場というわけだ。
その頃、蘭は光彦、元太、歩美を連れてお土産を買いに外へ出た。
ホテル残った和葉は、静華に稽古を再開しようと声をかける。
和葉の様子を見にきていた未来子は、和葉が元クイーンの静華に稽古をつけてもらっていたことに驚く。
これなら優勝できるかもしれないとはしゃぐ未来子の様子を目にした紅葉は、和葉たちの元へ歩み寄る。
紅葉「そんなに練習したいんやったら、ウチが相手いたしましょか?その子が決勝戦まで勝ち残れるとは思えませんし」
和葉「なんやとー?!」
今にも紅葉につかみかかりそうな勢いの和葉を静華がとめる。
静華「和葉ちゃんは休んどき。私がお相手します。私では不満ですか?」
紅葉「っ!元クイーンの池波静香さんがなんでこの子のために?」
静華「それで、お手合わせしてもらえるんやろか?」
紅葉「そこまで言わはるんやったら、お願いしますわ」
紅葉と阿知波をそれぞれを見張っていたコナンと平次は合流した。
これから阿知波と関根は、皐月杯のリハーサルのため、競技会場の阿知波会館へ向かうようだ。
移動中は警察の護衛がつくようなので心配なさそうだ。
紅葉も京都に住んでいるため、3人揃っての移動になる。
その時、コナンのスマホに灰原から連絡が入った。
コナンが送った写真の男性の身元がわかったというのだ。
灰原は、その男性の詳細をメールで送ったと伝える。
そして、カルタ札の方は先ほど解析ソフトに移行したところで、1時間後には握られていた札を探せそうだという。
電話を切ったコナンは、さっそく灰原のメールを確認する。
男性の名前は名頃鹿雄。
コナンは、その詳細を見て何かに気づいた。
その頃、静華と手合わせを終えた紅葉は、部屋を後にしようとする。
去り際に、和葉に声をかける。
紅葉「そやけどすごい度胸あるんやなぁ。この程度で驚いてはって試合に出るやなんて。よう覚えとき、ウチの名前は紅葉。あんたみたいなただの葉っぱとちゃいますから」
和葉「葉っぱ・・?」
静華「もうそれくらいにしときよし!」
紅葉「いくら相手があんたみたいな素人でも、ウチは手抜いたりしません。前に素人相手に油断して屈辱的な負け方したことがありますから。あんな悔しい思い金輪際したない!せやから、やる限りは全力でいかせてもらいます!」
和葉「の・・臨むところや!」
紅葉は、西の名探偵である服部平次が自分のボディーガードをしていることを誇らしげに話す。
さらに、平次が昨夜一睡もせず、屋敷の前で見張りをしていたことを嬉しそうに伝える。
紅葉が部屋を出て行った後、和葉はメラメラ燃え出した。
和葉「平次ー!あんたがあの女とどないな関係か知らんけど、カルタの試合でフルボッコにしたるさかい、見ーとーけーやー!平次ー!」
その頃、阿知波たちの車が出発するのを待っていた平次とコナン。
平次「うわああああ」
コナン「どうした、服部?」
平次「なんやわからんけど、今背筋に冷たいもんが走ったんや」
コナン「風邪でも引いたか?」
平次「風邪ぇ?そんなかわいいもんやないわ。もっと禍々しい何かや!」
そうしているうちに、阿知波、関根、紅葉をそれぞれ乗せる車が警察に護衛されながら車列となって出発した。
その車列の後をコナンを乗せた平次のバイクが続く。
しかし、赤信号で停車中、車が爆発した。
コナンと平次は爆風で吹き飛ばされるが何とか無事だった。
爆弾が仕掛けられた車に乗っていたのは関根で、病院に搬送されたが意識が戻らず重体となってしまった。
医師の話によると、助かるかどうかは五分五分だという。
阿知波と紅葉は無事だったが、念のため紅葉は運転していた伊織とともに病院で検査を受けることになった。
その後、大阪府警に、平蔵、大滝、銀司郎、平次、コナン、阿知波が集まった。
日売テレビの爆破も「皐月会」を狙っての犯行と考えている大阪府警は、阿知波から詳しい話を聞くことにしたのだ。
口を開こうとしない阿知波に、コナンは名頃の写真を見せ「この名頃鹿雄さんって誰なの?」と尋ねる。
名頃の写真を見た阿知波は、ひどく動揺する。
その阿知波の様子を見た平次は、阿知波が何か知っていると睨み、さらに問い詰める。
すると、阿知波はゆっくり話し始めた。
京都に「名頃会」というカルタ会があり、少数精鋭主義で20人足らずの会員が毎月厳しい練習をしていた。
名頃鹿雄は、その「名頃会」のリーダーだった。
名頃の技量はかなりのもので、名人への挑戦権をとるのも時間の問題だと言われていた。
しかし、勝負への執着が強く、傍で見ていても美しいカルタとは言えなかった。
そして5年前、名頃は当時「皐月会」の会長であった皐月に勝負を申し込んできた。
負けたら会を畳むことを条件として。
皐月からしてみれば勝負を受ける必要はなかった。
しかし、名頃は皐月が挑戦を断れないよう、マスコミに「皐月会は名頃会を恐れて対戦を避ける」と情報を漏らしており、試合を受けざるを得ない状況に追い込んだ。
しかし、試合は行われなかった。
名頃が試合開始時刻になっても現れなかったのだ。
結局試合放棄と見なされ、皐月が勝者となった。
名頃はマスコミを巻き込む騒ぎを起こしたにもかかわらず、試合当日に逃走したカルタ会の面汚しと呼ばれるようになり、表舞台から姿を消した。
現在、「名頃会」は会長不在のため解散し、名頃本人も未だ消息不明。
当時、「皐月会」としては事を荒立てず穏便に済ますつもりだったが、矢島は「名頃会」の解散を強硬に主張していた。
その後、解散した「名頃会」のメンバーで希望する者は「皐月会」に入れるようにした。
そして「皐月会」に入会したのは、紅葉と関根の二人だった。
特に紅葉は名頃のテクニックを徹底的に教え込まれ腕を上げていき、数ある得意札も名頃と全く同じ。
しかも、歌に紅葉の情景を詠った6枚の札は、紅葉も名頃も一度も逃したことがない。
まさに、紅葉は名頃の一番弟子と言われる存在だった。
名頃の得意札の歌に紅葉が含まれる理由は、名頃の名前が鹿雄だったためだと聞いている。
鹿の肉が紅葉と言われているからだ。
一連の事件は、名頃の「皐月会」への復讐のための犯行と考える平蔵たち。
その時、爆破の直前に関根のスマホに妙なメールが入っていたと知らせがあった。
メールの差出人は不明で、カルタ札の添付ファイルが送られてきただけだという。
そのカルタ札は「このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」で、名頃の得意札だ。
平次は、紅葉に危険が迫っていると考え、伊織に連絡する。
そして、紅葉のスマホに差出人不明のメールが届いていないか尋ねる。
紅葉は、平次との電話を伊織にかわってもらい、平次の言う通り自分のスマホを確認する。
すると、やはりカルタ札が添付されたメールが届いていた。
そのカルタ札は「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり」だった。
それを確認した平次は、今すぐ大阪府警に来るよう紅葉に伝える。
しかし、紅葉は拒否した。
紅葉「なんぼ平次くんの頼みでも、それは聞けません。明日の皐月杯に備えなあきませんから」
平次「そんなことゆうとる場合か!お前狙われてるかもしれへんのやぞ」
紅葉「ウチは大丈夫です。平次くんがいてくれるから。守ってくれますんやろ、ウチのこと」
平次「はあ?」
紅葉「あの約束、忘れてませんから」
そして、紅葉は電話を切ってしまった。
銀司郎は、紅葉の警護を強化するよう大滝に指示した。
矢島が殺害された現場にも、カルタの札のメッセージが残されていた可能性が高いと考えるコナン。
そこで、平次は以下のように推理した。
真犯人の名頃は、矢島を殺害した後、自分の得意札を残して現場を後にした。
しかし、後からやってきた関根がその工作をさらに偽装してしまった。
関根は、現場に残されたカルタ札のメッセージを見て、名頃が殺害したと確信した。
そこで、かつての師匠の犯行を隠すため、家中を荒らし強盗に見せかける偽装をした。
平次とコナンは、灰原に解析してもらった血痕のついた札をモニタに映し、平蔵たちに説明する。
血痕のついた札が複数ある中で、矢島が握らされていた札は「山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり」、名頃の得意札だ。
つまり、これまでの犯行全てに、カルタ札のメッセージが残されていたことになる。
日売テレビの爆破、矢島の殺害、関根の車を爆破、そして先ほど判明した紅葉。
これらのカルタ札には、共通して「紅葉」が詠み込まれている。
以上のことから、大阪府警は真犯人が名頃だと判断した。
大阪府警を出たコナンと平次は、名頃の得意札が全部で6枚あり、まだ2枚残っていることが気にかかる。
もし名頃が自分の存在をアピールする目的でカルタ札を使っているのだとすると、中途半端に2枚だけ残すということはしないはずだ。
となると、問題は残る2枚の札に該当するターゲットだ。
そこで、コナンと平次は5年前名頃との間に何があったのか阿知波に尋ねる。
阿知波は、警察には言えなかったがコナンと平次になら話せると言い、後でホテルの自分の部屋へ来るように伝えた。
その頃、病院で検査を受けていた紅葉の元へ、大阪見物を終えた蘭がやってきた。
蘭は、紅葉が落としたパスケースを手渡す。
紅葉「おおきに!これウチのお守りみたいなもんなんです。これなしで明日の試合どないしようと思てたけど、これで何とかなります」
蘭は、紅葉の連絡先を調べるためにパスケースの中を見てしまったことを伝える。
そして、小さい頃の紅葉と平次の写真のことを尋ねる。
その写真は、紅葉が子供の頃に出たカルタ大会で平次に敗れてしまった時のもので、平次は負けて泣いていた紅葉に「泣くなや!今度会うたら嫁にとったるさかい待っとれや」と言い、約束の指切りをしたという。
紅葉「せやから平次くんは、ウチの未来の旦那さんです」
蘭「え、でも、子供の頃の約束だから・・」
紅葉「子供も大人もあらへん!男が一度口にしたことは、そう簡単に曲げたらあきません。ちゃいますか?」
紅葉の言葉に、蘭はロンドンで新一と会った時のことを思い出す。
あの時、新一は逃げる蘭の腕を掴んで引きとめ「好きな女の心を正確に読み取るなんてことはな!」と頬を赤く染めて言った。
そして、複雑な気持ちになった蘭は、紅葉への答えに困る。
蘭「ですよね・・」
紅葉「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ。身は離れていても、心は繋がってるって信じてましたのに・・」
紅葉は、目に涙を浮かべる。
紅葉「葉っぱちゃんに伝えといてください。ウチは狙った札は誰にもとらせへん。そう先生に教わってきたと」
その後、ホテルへ戻った蘭。
和葉は、得意札を決めるよう静華に言われたらしく、悩んでいた。
蘭「そんなに悩むことかな?百人一首って恋の歌が多いでしょ。勝負とかそんなこと考えないで、ピンとくる好きな歌選べばいいと思うけどな」
和葉「恋かぁ・・」
蘭は、自分ならこれだと紫式部の「巡りあひて」を選んだ。
せっかく会えた友達があっという間に帰ってしまったという歌だ。
蘭「あいつやっと会えたと思ったらすぐどっか行っちゃうから。こっちは話したいこといっぱいあるのにさ」
和葉「そやね。そんなら、あたしは・・」
和葉は「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」を選んだ。
隠しても隠し切れない恋の歌。
蘭「和葉ちゃんにぴったりかも!紅葉さんにもバレバレだったしね」
和葉「そやかて、なんであの人あんな自信たっぷりなんやろ。まるで平次の婚約者気取りや」
蘭(言えない・・。服部くんが子供の頃、紅葉さんにプロポーズしてたなんて)
一方、コナンと平次は、ホテルの阿知波の部屋を訪れていた。
阿知波は、5年前の試合前日に名頃が皐月と勝負をしに家を訪ねてきたことを明かした。
その時の記事には、名頃は皐月との試合が怖くなって逃げたと書かれているが、実は前日に来ていたのだ。
前日に来た理由は名頃本人にしかわからないが、もしかすると「皐月会」のカルタ札を使って倒すことが目的だったかもしれないと皐月は話していたという。
当時、「皐月会」のカルタ札は、阿知波邸で保管されていた。
そして読手はおらず、カセットテープを使っての試合が行われた。
対戦の結果は、皐月の圧勝。
阿知波が帰宅した時、ちょうど名頃が真っ青な顔で玄関から逃げるように去って行くところだった。
名頃の姿を見たのは、それが最後だった。
コナンは、当時書かれた記事を見て違和感を覚えた。
その日の夜、部屋で特訓していた和葉の元へ平次がやってきた。
平次「なんや和葉、エラい怖い顔して。誰かと喧嘩してんのか?」
和葉「うるさいわアホ!あんたはあの子のボディーガードなんやろ?はよ向こうに帰り!」
平次「なんや、せっかくあの疲れ果てたオバハンに代わってお前の相手したろ思て来たのに」
蘭は、平次に小学校の頃に出たカルタ大会で負かした女の子のことを尋ねる。
平次は、その時に負けて大泣きしていた子が紅葉だということを思い出した。
しかし、平次は約束したことを覚えていないようだ。
和葉「とにかく平次ははよ戻って!あの子のこと守らんとあかんのやろ?」
平次「いや、それは警察が・・」
和葉「いいから行き!試合前に怪我でもされたら、勝負できへんし」
平次「そうか?ほなそうするわ。オカン、あとは任したで!」
平次は部屋を出て行った。
翌日。
京都の阿知波会館で「皐月杯」が開催された。
大阪府警と京都府警による厳重な警備体制が敷かれており、あらかじめスタッフ登録していない者は中に入ることができない。
事前の捜査も万全で、名頃の好きなようにはさせないと意気込む綾小路。
平次とともに外で警備をしていたコナンのスマホに光彦からメールが届いた。
そのメールには写真が添付されており、元太が千枚漬けを鷲掴みにして食べている。
その写真を見たコナンは、あることに気づいた。
和葉と紅葉は、順調にトーナメントを勝ち進んでいく。
そして、残すは決勝戦となった。
そこで、大阪府警は関根が意識を取り戻したとの報告を受けた。
矢島は最近名頃のことを探りまわっており、それに気づいた関根は、元師匠の消息がつかめるのではないかと考え、矢島を見張っていた。
そこで、矢島の遺体を発見したと関根は証言したようだ。
大阪府警は、会場の警備を京都府警に任せ、離脱することになった。
大阪府警が離脱した後、西側の森から煙が上がった。
西側には古い物置小屋があるだけのようだが、施設外のため監視カメラがない。
平次とコナンは、急いで物置小屋へ向かう。
その頃、和葉と紅葉は決勝戦が行われる皐月堂へ阿知波とともに向かっていた。
紅葉「ドキドキしますなぁ。あんたはどないです?」
和葉「まさかほんまにここまで来られるなんて思ってへんかったからドキドキやけど、あんたはちゃうんやろ?」
紅葉「いいえ、口から心臓がとびでそうです。ウチの告白を受けて平次くんがどないな顔をするか気になって気になって・・」
和葉(負けへん。負けられへん・・)
物置小屋へ到着したコナン、平次、綾小路。
物置小屋は爆破されたようで、被害者は一名。
遺体は激しく損壊しており、すぐに身元を確認できる状態ではなかった。
状況から見て、被害者が爆弾を持ち込んだ可能性が高い。
コナンは、近くの木に何か光るものが刺さっていることに気づいた。
平次もコナンの後を追って木を見ると、大きな指輪が刺さっている。
コナンは、記事の写真で海江田藤伍が親指に着けていた指輪だということを思い出した。
となると、損壊しているという遺体は海江田の可能性が高い。
もし指輪が発見されなければ、爆破した遺体は名頃ということにされていたかもしれない。
つまり、この爆発は名頃が死んだように見せかけるための偽装。
平次は、犯人が送るカルタ札の残り2枚が、すでに誰かに送られている可能性が高いと考える。
すると、阿知波の携帯に今朝カルタ札のメールが届いていたことが判明した。
ということは、残る札は1枚。
コナン(残りは1枚・・。決勝戦のみ・・)
コナン「すでに阿知波さんにカルタ札が届いてたっていうことは残るは1枚。そして、その1枚を送る相手はまだ決まっていなかったんだ!」
平次「警部、すぐに遠山和葉のスマホを調べてくれ!」
最後の1枚が残されていた理由は、決勝戦に誰が進むかわからなかったからだ。
つまり、ターゲットは皐月堂に集まっている3人ということだ。
綾小路は、すぐに和葉のスマホを確認するよう部下に指示した。
すると、15分前に名頃の得意札が届いていたことがわかった。
それを確認した平次は、コナンをバイクへ乗せて皐月堂へ向かう。
その時、会場に仕掛けられた爆弾が爆発した。
爆発した拍子に何かの燃料に引火したようでさらに炎上している。
綾小路「消防はまだ来いひんのか」
防災設備もダウンさせられており、火を消す手段は見つからない。
綾小路「万事休すか・・」
名探偵コナン から紅の恋歌|ネタバレ
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その頃、皐月堂では阿知波を読手として、和葉と紅葉の決勝戦が行われていた。
和葉の選んだ得意札は、一番取りにくいところに並べられている。
紅葉もその1枚が和葉の得意札だということをわかっているようだ。
紅葉(この札がとりたいんやろ?せやけど渡さへんで。これを守り切ったらウチの勝ちや)
和葉(とる!絶対とる!とらなあかんのに・・)
和葉は、心臓のドクンドクンという音が頭の中に響き渡り集中できずにいる。
和葉(うるさい!余計な音はあたしの耳から出てって!)
その時、和葉は平次に言われた言葉を思い出した。
平次「なんや和葉、エラい怖い顔して。誰かと喧嘩してんのか?」
和葉は静かに目を閉じた。
エアコンの音、着物の擦れる音、札に触る音、微かな息づかい、胸の鼓動。
それらはみんな仲間で、全て自分の中に取り入れることにした。
その直後、和葉は自分の得意札をとることに成功した。
一方、阿知波堂へ向かうコナンと平次。
平次は、すでに「皐月会」を去っていた海江田をスタッフとして再登録して爆弾を渡せるのは阿知波しかいないと話す。
阿知波は、皐月堂で和葉と紅葉を道連れにしてこのまま死ぬ気なのかもしれない。
平次「そんなこと、絶対させるかー!」
一連の事件は全て名頃による「皐月会」への復讐だと思わせるのが阿知波の描いたシナリオだ。
5年前、皐月と試合を行う予定だった名頃は、なぜかその前日に現れ試合が行われた。
その試合で、皐月が勝利されたと阿知波は言っていたが、それには妙な点がある。
阿知波の紹介記事に、皐月の試合の前日にはいつも車をピカピカに磨くと書いてあったのに、5年前の皐月と名頃の試合が予定されていた日は車が汚れていた。
大切な試合の前日に車を磨かなかったということは、試合に名頃が来ないことをわかっていたからだ。
もし5年前の試合で皐月が敗北していたとしたら・・。
「皐月会」の名誉を守るため名頃の口を封じたはずだ。
そして、その証拠の残ったカルタの映像を見て、矢島は阿知波の犯行に気づいてしまった。
平次「しかし、あのカルタにはどんな証拠が?」
コナン「名頃さんの血がついたカルタの束をうっかり鷲掴みにしていたとしたら?」
平次「そうか、指紋か!」
コナンは、元太が千枚漬けを鷲掴みしている写真を見てそのことに気づいたのだ。
そこで、矢島は「皐月会」特集の企画をテレビ局に持ち込み、証拠となる「皐月会」のカルタを映像として記録させた。
そのため、テレビ局爆破と矢島の殺害が同時に行われたのだ。
阿知波が決勝戦の阿知波会館まで犯行を引っ張った理由は、恐らく決勝戦が行われている皐月堂に名頃の遺体が隠されているのだ。
完璧な計画で名頃を犯人に仕立て上げたとしても、後に名頃の遺体が発見されたら元も子もないため、最後に皐月堂を爆破することにしたのだろう。
平次は、コナンに火を消す方法だけを考えるように指示し、バイクで皐月堂に飛び込んだ。
その衝撃に驚き窓を開けた和葉と紅葉は、皐月堂が燃えていることに気づいた。
コナンは、どこでもボール射出ベルトのボールを使い、滝を流れる水を利用して消火にあたる。
平次は、和葉と紅葉に皐月堂の中で待っているように言う。
下で皐月堂の様子を見ていた綾小路は、滝の流れが変わり火が消えたことに驚いている。
コナンの機転により、皐月堂は無事鎮火した。
平次「さすがやなぁ、工藤」
和葉、紅葉、阿知波は、外へ出てきた。
紅葉「平次くん、何が起こってるんです?」
平次「危ないから中に入っとれてゆうたやろ」
和葉「えぇ・・、コナンくんまで!一体なんなん?」
平次「それは阿知波さんに聞いた方が早いんとちゃうか?二人とも俺の後ろに下がっとき」
コナンは、部屋の中から「皐月会」のカルタ札を持ち出した。
コナン「ねぇ阿知波さん、このカルタ札調べられたらまずいんじゃないの?」
事件の発端は1年前、紅葉が皐月堂で優勝した時だ。
その時、紅葉のとった札の重ねが、師匠の名頃のとったある試合の札の重なり方とよく似ていた。
コナンは、カルタの札の側面についた黒ずみをみんなに見せる。
その黒ずみは、名頃の返り血がついた手でカルタを掴んだ阿知波の指紋だ。
5年前失踪したと思われていた名頃は、その時阿知波によって殺害されていたのだ。
阿知波「私の負けや。全て自供しよう。その代わり「皐月会」のカルタを証拠とするのはやめてくれんか」
コナン「なんだ、そういうことか。どうしても理解できないことがあったんだけど、その態度でよくわかったよ。このカルタについてる指紋って阿知波さんのじゃないよね?」
阿知波「いや私や!私の指紋に間違いない」
今回起きた一連の事件は、阿知波と海江田の仕業だ。
しかし、全ての発端となった5年前の名頃殺しは、阿知波ではなく皐月だ。
観念した阿知波は、真相を語った。
5年前の試合前日の日、阿知波邸で行われた試合で、皐月は名頃に敗れた。
読手には、阿知波が保管していたカセットを使った。
それは、皐月が何度も聞き込んだカセットで、皐月は読まれる札の順番をある程度記憶しており、圧倒的に有利な状況だった。
にもかかわらず、皐月は負けてしまった。
名頃の実力は、阿知波たちの予想を遥かに超えていたのだ。
そして、翌日の試合で屈辱的な大敗をするのは確実だった。
その恐怖から、皐月は名頃を殺害してしまった。
それ以来、皐月は人としての感情を失い、「皐月会」の運営からも次第に遠ざかっていった。
そして、2年後に病気で死んでしまった。
真相を話し終えた阿知波は、皐月堂に仕掛けた爆弾を起爆させようとする。
阿知波「みんな名頃のせいだ。あの男が皐月を辱めなければこんなことには・・」
紅葉「辱めたくなかったから、前の日に名頃先生は行ったんやと思いますけど」
紅葉は、以前名頃に尋ねたことがあった。
紅葉「なんでそんなに「皐月会」を目の敵にしてはるんですか?」
名頃「目の敵か・・。やっぱり傍から見とったらそないに見えてまうわな。せやかて、こうでもせんと彼女と勝負できへんし。ただ勝って、すごいなぁって褒められたいだけなんやけど。初恋の相手にな」
名頃は、皐月に憧れてカルタを始めたそうだ。
しかし、目の病であと1年しかカルタができないと医者に言われた。
そのため、5年前前日に行われた強引な試合になってしまった。
名頃には時間がなかったのだ。
コナン「じゃあ、前日の勝負で実力を見せて、みんなの前では皐月さんに勝ちを譲るつもりだったと・・」
紅葉「面倒を見られへんようになってしまう、ウチも含めた自分の弟子たちを「皐月会」に引き取ってもらう理由付けをするために・・」
そうとは知らず、皐月は名頃を殺害してしまった・・。
それを聞いた阿知波は、ショックを受けて手に持っていた起爆装置を落としてしまった。
平次が阿知波の落とした起爆装置を拾ったその直後・・。
皐月堂が崩れ始めた。
コナンは、みんなにエレベーターに乗り込むように声を上げる。
コナン、紅葉、阿知波は、急いでエレベーターに乗り込んだ。
しかし、平次と和葉を残してエレベーターは落下してしまった。
コナンの伸縮サスペンダーでエレベーターはなんとか止まり、駆けつけた警察によって救助された。
コナン(服部、和葉ちゃん。頼む、なんとか抜け出してくれ!)
皐月堂に取り残されてしまった平次と和葉。
平次は、和葉にバイクの後ろに乗るように指示する。
和葉「あんたまさか、向こうの壁まで飛ぶつもりやないやろな?」
平次「あぁ、よおわかったな。そのまさかや!」
和葉「嘘やろ~!?何考えてんねん、めっちゃ距離あんで!池に飛び降りた方がええんとちゃう?」
平次「無理や、この高さから飛び降りたら水面もコンクリのように固くなる」
平次は、エンジンをふかしながら和葉に声をかける。
平次「しっかり捕まっとけよ和葉。その手離したら、殺すで!」
和葉「・・うんっ!」
和葉は、平次の腰をギュッと掴んだ。
平次「こんなところで、死んでたまるかー!」
平次はアクセルを全開にし、バイクを走らせた。
平次と和葉を乗せたバイクは、皐月堂から飛び出す。
平次「まだお前には言わなあかんことがあんねん!」
平次は、起爆装置を押して皐月堂を爆破させ、その爆風を利用してバイクを加速させた。
平次「とどけー!」
平次はなんとか滝壺に着水し助かったが、和葉は放り出されてしまった。
このままでは池に転落してしまう・・。
間一髪、平次は和葉の腕をつかんだ。
平次「大丈夫か、和葉・・」
和葉「う、うん・・」
平次「もう脱出劇はこりごりやなぁ」
その様子を見ていたコナンは、安堵の息を漏らす。
コナン(ったく、あいつら・・)
滝壺で救助を待つ平次と和葉。
和葉「ところで平次、あたしに言わなあかんことって何なん?」
平次「なんや、なんのこっちゃ」
和葉「さっき言うたやろ?あたしに何か言うまで死ねへんって」
平次「空耳とちゃうか?」
和葉「ちゃうわ!カルタの特訓で耳は超鍛えられてんねん!」
滝壺で鬼ごっこが始まった・・。
(エピローグ)
後日、小五郎たちの帰りを見送りに来た平次と和葉。
結局、和葉は最後の最後で紅葉に負けてしまった。
しかし、和葉が決勝まで勝ち残ったことにより、改方学園のカルタ部は廃部にならずに済んだようだ。
和葉は蘭の手を引いてコナンたちから離れ、「しのぶれど」の得意札がとれたことを蘭にだけ報告する。
和葉が得意札として選んだ理由は、読んだ人の名前にあった。
百人一首の中で平次の「平」で始まるのは、「しのぶれど」を詠んだ平兼盛だけだ。
和葉「もう平次の札にしか見えへんかったわ」
和葉は、「しのぶれど」のカルタ札の写真を自分の気持ちだといって平次に送るつもりだと話す。
そこへ、紅葉がやってきた。
紅葉「しのぶれどを送って自分の気持ちを伝えるん?それはルール違反とちゃいます?」
紅葉は、約束通り平次に告白しにきたようだ。
そして、子供の頃に指切りした写真を平次に見せる。
平次「ちょお待て!なんの約束したっちゅうねん」
紅葉「今度会うたら嫁にとるさかい待っとけや!」
和葉「えええええ!?」
コナン(こいつ何気に恥ずかしいところ記録されるよな・・)
紅葉「それともこんな昔ばなしなかったことにしはりますか?」
平次は写真をじっと見る。
平次「ああ、思い出したわ!あの時こう言うたんや」
「泣くなや。また今度勝負したらええやんけ。けど今度会うたら、もっと強めにとるさかい、腕磨いて待っとけや」
紅葉は、瞳に涙を浮かべて伊織に電話をかけ、車を用意させる。
紅葉「ほな、今日はこの辺で勘弁しといてあげますけど、ウチは狙った札は誰にもとらせへんっちゅうことをよう覚えといてもらいましょか、"和葉"ちゃん」
その後、新幹線に乗ったコナンたち。
蘭は、園子に電話をかける。
蘭「園子って百人一首に詳しかったよね?」
園子「うん、お正月に家族でやるから」
蘭「新一に「巡りあひて」の札の写真を送ったら「瀬を早み」って歌が帰って来たんだけど、どんな意味だっけ?私、忘れちゃって・・」
園子「・・ご馳走様!」
園子は一方的に電話を切った。
蘭「ちょっと、園子!?」
蘭の電話の内容をこっそり聞いていたコナンは呟いた。
(忘れてんじゃねェーよ・・)
瀬を早み 岩にせかるる 瀧川の われても末に 逢むとぞ思ふ
(愛しいあの人と今は別れていても、いつかはきっと再会しよう)
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現在、アニメ名探偵コナンの動画は、Huluでフル視聴することができます。
Huluとは、月額1026円(税込)で、人気の映画、ドラマ、アニメ、バラエティが14万本以上も見放題の動画配信サービスです。
ログイン台数の制限がないため、1つのアカウントでスマホ、タブレット、パソコン、テレビなど複数の機器で視聴することができます。(同一の作品の場合は最大2台まで同時視聴可)(異なる作品の場合は最大4台のデバイスまで同時視聴可)
アニメ名探偵コナンは、2024年10月18日時点で、第1話から第1053話まで配信されています。
Huluで視聴する ※本作品の配信情報は2024年10月18日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況についてはHuluの公式サイトをご確認ください。まとめ
こちらでは、名探偵コナンの以下の事柄について迫りました。
・事件ファイル概要
・登場人物
・ストーリー
・ネタバレ
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